もし今、災害が起きたら…「お薬」と「トイレ」、持ち出せますか?|蒲田の泌尿器科専門医が提案する命を守る備蓄術

こんにちは。大田区蒲田にある「かまた腎泌尿器・内科クリニック」院長です。

9月に入りました。この時期は台風の発生も多く、私たちも日頃から防災意識を高めておく必要性を強く感じる季節です。

テレビやネットで防災特集を目にする機会も増えますが、皆さんはご自宅の「防災リュック」の中身、最近チェックされましたか?

「毎日飲んでいる大切なお薬」「トイレの備え」はどうでしょうか?「今日の分しかなかった! 明日もらいに行くつもりだったのに…」

災害時に持病が悪化したり、トイレの問題で体調を崩されたりして亡くなるケース(災害関連死)は、地震や津波による直接的な被害と同じくらい、あるいはそれ以上に深刻な問題として報告されています。

今回は、防災の日をきっかけに、内科・泌尿器科医の視点から、あなたとご家族の命を守るための「医療的な備え」について、詳しくお話しします。

災害時、あなたの体で何が起こるのか

1. 「お薬が切れる」という恐怖

急にお薬を中断することは、予想以上に危険です。

  • 高血圧の方: 薬が切れて血圧が急上昇し、さらに避難所の寒さや極度のストレスが重なって、脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまう。
  • 糖尿病の方: 高血糖状態が続いて意識障害を起こしたり、脱水が進んだりする。
  • 前立腺肥大症の方: 尿を出しやすくする薬が切れて、さらに緊張やトイレ我慢が重なり、尿が全く出なくなる「尿閉(にょうへい)」になり、激痛に襲われる。

これらは決して脅しではなく、過去の大震災でも実際に起きた事例です。薬がない状況は、持病を持つ方にとって命に関わる事態になります。

2. 「トイレに行けない」ことによる二次災害

避難所のトイレは、断水で流れなかったり、不衛生だったり、長蛇の列だったりと、どうしても使いにくい状況になります。すると、人間はどういう行動をとるか。

「トイレに行きたくないから、水を飲まないようにしよう」

無意識にこう考えて、水分を控えます。結果、水分不足で血液がドロドロになり、足の静脈に血栓(血の塊)ができ、それが肺に飛んで詰まる「エコノミークラス症候群(肺塞栓症)」が起こりやすくなったり、尿量が減り、不衛生な環境も相まって発症する「尿路感染症」や「膀胱炎」を起こしたりします。

災害時のトイレ問題は、単なる不便さではなく、命を守るための衛生問題なのです。

専門医が提案!命を守る「3つの備え」

その1:お薬は「常に1週間分の余力を」

「薬がなくなったら病院に行く」というサイクルを変えましょう。常に「3日〜1週間分」のお薬が手元に残っている状態で、次の受診をする習慣をつけてください。

これを「ローリングストック法」と言います。

新しいものをもらったら奥にしまい、手元の古いものから飲んでいくことで、常に「予備がある状態」をキープできます。

当院では、病状が安定している患者様には、災害時や急な用事を見越して、長め(60日〜90日)に処方することも可能です。

「予備を持っておきたいので、少し多めにほしい」と、遠慮なくご相談ください。

その2:お薬手帳は「スマホ」の中にも

避難する時、慌ててお薬手帳を持ち出せるとは限りません。

でも、スマホなら肌身離さず持っている可能性が高いですよね。

今は便利な「お薬手帳アプリ」もたくさんありますし、アプリが面倒なら、「お薬手帳の最新ページ(処方内容が書かれたページ)」をスマホのカメラで撮っておくだけでも構いません。

災害時、救護所や避難先の病院でお薬をもらう際、「白い小さい錠剤です」と言っても伝わりません。

しかし、写真があれば、「アムロジピン5mgですね」とすぐに分かり、同じ薬(または同じ成分の薬)をスムーズに処方してもらうことができます。

これは、あなたの命をつなぐパスポートになります。

その3:携帯トイレを「水」の横に

防災リュックに、簡易トイレ(携帯トイレ)を入れていますか?

凝固剤で固めて、臭いを防ぐ袋に入れるタイプが100円ショップやホームセンターで手軽に買えます。

この安心感があるだけで、人はしっかりと水分を摂ることができるようになります。

これが、エコノミークラス症候群や脱水を防ぐ、最強の対策です。

1日数回×家族の人数分、最低でも3日分くらいは備えておくことをお勧めします。

大田区蒲田地域の皆様へ

京急蒲田駅西口から徒歩1分の当院。

この蒲田地域も、多摩川が近くを流れており、水害のリスクとは無縁ではありません。当院のすぐ傍にも呑川がございます。

9月の受診の際は、ぜひ「防災」の視点でお薬の相談をしてください。

「長期処方は何日分までできる?」

こんな世間話のようなご相談でも大歓迎です。

備えあれば憂いなし。一緒に「もしも」の時を考えましょう。

よくいただくご質問

Q. 薬の使用期限はどれくらいですか?予備の薬はずっと置いておいていいですか?

A. 一般的な錠剤やカプセルは、直射日光や湿気を避ければ半年〜1年以上持つものが多いですが、ずっと置きっぱなしにするのは推奨しません。

処方されたら、「手元の古い薬」から先に飲み、「新しくもらった薬」を予備に回すというローテーションを必ず行ってください。これで期限切れを防げます。

Q. 長期処方は誰でもしてもらえますか?

A. 基本的には病状が安定していることが条件となります。

頻繁に検査が必要な方や、新しいお薬を始めたばかりで副作用のチェックが必要な方は、安全のために短期間の処方になることもあります。診察時に医師と相談しながら決めましょう。

Q. 糖尿病で使う皮下注射はどうすればいいですか?冷蔵庫が止まったら…

A. インスリンは温度管理が重要ですが、災害時は「凍結」と「30度以上の高温・直射日光」さえ避ければ、常温でも一定期間(開封後は約1ヶ月など製品による)使用可能なものが多いです。保冷バッグや保冷剤を準備しておくと安心です。具体的な保管方法は製品ごとに異なります。

最後に〜備えあれば憂いなし

最後までお読みいただき、ありがとうございました。災害は、私たちが忘れた頃に、突然やってきます。

でも、事前の準備さえしておけば、パニックにならずに自分と家族の命を守ることができます。

1. お薬の残り数

2. お薬手帳の場所(とスマホ撮影)

3. 防災リュックのトイレ

を確認してみて下さい。今月も、皆様が安全に、そして健やかに過ごせますように願っております。

24時間いつでも
簡単予約

WEB診断予約

すぐに
相談したい方

電話をかける
かまた腎泌尿器内科クリニック

東京都大田区蒲田4-15-8 シュロスバッカス6F
京急蒲田駅西口 徒歩1分
TEL: 03-6715-8803

月 火 水 木 金 土 日

9:00~13:00

9:00-13:00

● ● ● ● ● ● /
15:00~18:00 ● ● ● / ● / /
18:00~20:00 ●

金曜日は20時まで診療しています。

受付は15分前終了

休診日 : 木曜午後・土曜午後・日曜・祝日

院長室
待合室
診察室
手術室
レントゲン室

監修医師

院長 青木洋

日本泌尿器科学会専門医
日本性感染症学会認定医

院長 青木洋

24時間いつでも
簡単予約

WEB診断予約

すぐに
相談したい方

電話をかける