突然の「激痛」に襲われないために|蒲田の泌尿器専門医が教える夏にピークを迎える「尿管結石」の予防と初期対応
こんにちは。大田区蒲田にある「かまた腎泌尿器・内科クリニック」院長です。
蒲田の街も、熱気と活気に包まれていますが、この時期、私たち泌尿器科医が一年で最も「緊張感」を持って対応する病気があることをご存知でしょうか?
それは、「尿管結石(にょうかんけっせき)」です。「世界三大激痛(King of Pain)」の一つとも称されるこの病気。
実は、尿管結石の発作は夏(特に7月〜9月)に発症のピークを迎えます。汗をかいて尿が濃くなり、石ができやすくなるためです。
実は、日本人の「7人に1人」が生涯に一度は経験するというデータがあります。
今回は、激痛に襲われないための具体的な予防策と、万が一痛くなってしまった時の正しい対処法について、専門医の視点から詳しくお話しします。
もしかして、その「脇腹の痛み」は石のサイン…?
結石の発作の最大の特徴は、「何の前触れもなく、突然やってくる」ことです。
もし、ご自身やご家族に以下のような症状が出たら、すぐに「結石」を疑ってください。
✅ 尿管結石の緊急チェックリスト
- 突然の激痛: 背中や脇腹(左右どちらか片方のことが多い)に、突然、突き刺すような激しい痛みが走る。
- 七転八倒: どんな体勢をとっても痛みが楽にならず、じっとしていられない。脂汗をかいて転げ回りたくなる。
- 消化器症状: 激しい痛みとともに、吐き気がする、または実際に吐いてしまう。
- 尿の異常: トイレに行ったら尿の色が赤っぽい(血尿)、または茶色っぽくなっている。
- 残尿感: さっき行ったばかりなのに、すぐまたトイレに行きたくなる(石が膀胱近くまで降りてきたサイン)。
特徴的なのは、腰痛(ぎっくり腰など)とは違い、「じっとしていても痛い」「動いても痛い」という点です。
これは、腎臓で作られた石が細い尿管に詰まり、尿の流れがせき止められてしまうことで、行き場を失った尿が腎臓を内側からパンパンに腫れ上がらせる(水腎症)ために起こります。
内側からの強烈な圧力が、あの激痛の正体です。
なぜ「夏」に石ができるのか
先週のブログでも触れましたが、夏に結石が増える最大の原因は、やはり「水分不足(脱水)」です。
尿の中には、カルシウムやシュウ酸、尿酸といった「石の成分」が常に溶けています。
水分が多い薄い尿なら、これらの成分は溶けたまま、体の外へ流れます。溶けきれなくなった成分が結晶化し、それが核となって雪だるま式に大きくなり、「石」になってしまうのです。
さらに、夏ならではの生活習慣も、石作りを加速させてしまいます。
- 甘い清涼飲料水: 夏バテ防止にと飲むジュースに含まれる「砂糖(ショ糖)」は、尿中のカルシウム濃度を上げ、石を作りやすくします。
- 晩酌のビール: 「ビールで水分補給」は大きな間違いです。ビールに含まれる「プリン体」は尿酸結石の原因になり、アルコールの利尿作用は脱水を招き、石を固める強力なアシストをしてしまいます。
専門医が教える!石を作らせない「食事のコツ」
水分補給(1日1.5〜2リットルの尿が出るように飲む)はもちろんですが、毎日の食事を少し工夫するだけでも、予防効果はあがります。
1. 「シュウ酸」を摂りすぎない&工夫する
結石の中で最も多いのが「シュウ酸カルシウム結石」です。この「シュウ酸」は、体に良いとされる食品にも多く含まれています。
- シュウ酸が多い食品: ほうれん草、コーヒー、紅茶、緑茶(玉露)、チョコレート、ナッツ類、バナナなど。
「好きなのにやめられない!」という方は「カルシウムと一緒に摂る」ことが鉄則です。
- コーヒーや紅茶には、ミルク(牛乳)を入れる。
- ほうれん草のおひたしには、カツオ節やちりめんじゃこをかける。
- チョコレートを食べる時は、コップ1杯の牛乳と一緒に。
こうすると、お腹(腸)の中でシュウ酸とカルシウムがくっつき、吸収されずに「便」として排出されます。結果として、尿の中にシュウ酸が出てこなくなるため、石になりにくいのです。これは医学的に証明された非常に有効な方法です。
2. 夕食は「寝る4時間前」までに
寝ている間は、水分を摂らないため尿が濃縮されます。
食べてすぐ寝ると、食事中の結石成分が寝ている間に尿に大量に出てきて、濃い尿の中で一気に結晶化してしまいます。
「寝る前にコップ1杯の水」を飲んで、寝ている間の尿を薄めることも忘れずに。
万が一、激痛が起きたらどうする?
1. まずは手持ちの痛み止めを使う
もしご自宅に市販の鎮痛剤(ロキソニンやイブなど)があれば、まずはそれを飲んでください。完全に痛みが消えなくても、多少和らぎます。坐薬があればそちらを使用しましょう。
2. 水分を摂りすぎない(発作中のみ)
「石を流さなきゃ!」と水を飲みすぎるのは詰まっている最中(激痛時)は逆効果です。出口が塞がっているのに水を流し込めば、腎臓の内圧がさらに高まり、痛みが悪化することがあります。痛みが落ち着いてから水分を摂るようにしてください。
3. 早急に泌尿器科へ
痛みが波のように引くことがありますが、「治った」わけではありません。
石が残っていると、腎機能が低下したり、腎盂腎炎(高熱が出る感染症)を併発したりするリスクがあります。必ず受診してください。
4. 発熱時は特に要注意!
発熱時は閉塞性腎盂腎炎の可能性もあり、まずは連絡をください。場合によっては大病院への受診が必要になり、適切な対応をお伝えします。
当院は金曜日は夜20時まで診療しています。
「救急車を呼ぶほどではないけれど、痛くてたまらない」「仕事中に脂汗が出てきた」
そんな時は、迷わずご連絡ください。
超音波検査とレントゲン検査で即座に診断し、座薬や注射を使って、まずは速やかに痛みを取る処置を行います。
私の診療への想い
結石の痛みは、ご本人にとっては「死ぬかもしれない」と思うほどの恐怖そのものです。
「いつまた痛くなるか分からない」というその大きな不安に、寄り添います。
ただ「石がありますね、痛み止めを出しておきます」と診断するだけでは不十分です。
「今の石はどの位置にあるのか」
「どうすれば早く出るか(運動や水分のコツ)」
「どうすれば再発を防げるか(具体的な食事指導)」
これらを、患者様の生活スタイルに合わせて具体的にアドバイスすることが、痛みを取り除いた後の「安心」につながると信じています。
大田区蒲田地域の皆様へ
京急蒲田駅西口から徒歩1分の当院は、痛みを抱えた方でもアクセスしやすい場所にあります。
「最近、背中に違和感がある」「昔、結石に悩んでいたことがあるので、夏本番前にチェックしておきたい」
そんな予防的な受診も大歓迎です。
よくいただくご質問
Q1. ジェットコースターに乗ると石が出ると聞いたのですが?
A. 一時期、海外の研究で話題になりましたが、医学的に確実な治療法としては推奨されていません。
ただ、原理としては「上下運動」や「振動」が有効なのは事実です。痛みが落ち着いている時に、「縄跳び」や「階段の昇降運動」をすることで、石が降りやすくなることはあります。もちろん、激痛がない時に施行しましょう。
Q2. ビールを飲むと石が出やすくなりますか?
A. 「ビールで流す」は迷信です。
一時的に尿量は増えますが、その後の利尿作用による「脱水」で、逆に石が大きくなったり、新たな石ができたりするリスクの方が圧倒的に高いです。
石を流すなら、「お水」か「麦茶」で流してください。
Q3. 再発しやすいですか?
A. はい、非常に再発率の高い病気です。何も対策しないと、5年で約半数(45%)の方が再発すると言われています。
ですが、逆に言えば、食事や水分の習慣を変えることで、再発率は劇的に下げられます。一緒に頑張りましょう。
最後に〜痛みのない夏を過ごすために
尿管結石は、遺伝的な要素もありますが、基本的には「生活習慣病」の一つです。
「喉が渇く前に水を飲む」「コーヒーにはミルクを入れる」「寝る前にコップ1杯の水を飲む」
もし不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
クリニック情報
かまた腎泌尿器・内科クリニック
- 院長: 青木洋(泌尿器科専門医・内分泌代謝科専門医)
- 所在地: 東京都大田区蒲田4-15-8 シュロスバッカス6F
- アクセス: 京急蒲田駅西口から徒歩1分(西口ペデストリアンデッキの正面)
- 診療時間: 月・火・水・金 9:00-13:00/15:00-18:00(金曜は20:00まで)、土 9:00-13:00
- 休診日: 木曜・土曜午後・日曜・祝日
- 電話: 03-6715-8803
- 特徴: 尿管結石の激痛対応(痛み止め・点滴)、再発予防指導、超音波検査、夜間診療
東京都大田区蒲田4-15-8 シュロスバッカス6F
京急蒲田駅西口 徒歩1分
TEL: 03-6715-8803
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金曜日は20時まで診療しています。
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休診日 : 木曜午後・土曜午後・日曜・祝日
監修医師
日本泌尿器科学会専門医
日本性感染症学会認定医
院長 青木洋