突然の血尿が出た時の対処法は?|蒲田の泌尿器科専門医が原因と適切な対応を解説
こんなお悩みはありませんか?
- 突然尿に血が混じって赤くなった、茶色くなった
- 運動後に腰や脇腹が痛い
- 特に思い当たる理由がないのに血尿が出た
- トイレに行く回数が増えて、残尿感もある
この記事では、突然の血尿について、その原因と適切な対処法を詳しくお話しします。
突然の血尿で不安なあなたへ
血尿には様々な原因があり、中には緊急性の高いものもあれば、一時的で心配のないものもあります。大切なのは、適切に判断して対応することです。
血尿が起こる主な原因
運動性血尿(激しい運動後の血尿)
患者さんからよく「癌じゃないですよね?」と心配される声を聞きますが、運動後の血尿の多くは一時的なものが多いです。
激しい運動や重労働により、腎臓や膀胱に物理的な衝撃が加わることで、一時的に微小な出血や炎症が起こります。マラソン後に血尿を訴える方が多いです。確定診断をつけることは難しい場合もあり、他の疾患を除外した上での診断となります。
特徴的なサイン
- 運動直後から数時間以内に出現
- 痛みを伴わないことが多い
- 安静にすると1-3日で改善
- 発熱や強い痛みはない
運動後の筋肉由来の尿の変色(ミオグロビン尿)
実は「血尿」と思われているものの中に、厳密には血液ではなく筋肉由来の物質で尿が赤褐色になるケースがあります。これがミオグロビン尿です。
激しい運動や筋肉への過度な負荷により、筋肉細胞が壊れて(横紋筋融解症)、筋肉に含まれるミオグロビンという赤い色素が尿に排出される状態です。
運動性血尿との違い
- 色: ミオグロビン尿は赤褐色~暗褐色(コーラのような色)、血尿は鮮紅色~ピンク色
- 原因: ミオグロビン尿は筋肉の破壊、血尿は泌尿器からの出血
- 危険性: ミオグロビン尿は腎障害を起こす可能性があり、より注意が必要
ミオグロビン尿が起こりやすい状況
- 普段運動していない人が急激な運動をした
- 長時間の激しい筋力トレーニング
- 脱水状態での過度な運動
顕微鏡で尿を見ることで区別できますので、心配な時はすぐに受診してください。
尿路結石
突然の血尿で非常に多い原因の一つです。
典型的な症状
- 突然の激しい腰痛や脇腹の痛み
- 血尿と同時に強い痛みが出現
- 痛みが波のように強くなったり弱くなったりする
- 吐き気を伴うこともある
泌尿器系の感染症
膀胱炎: 頻尿、排尿痛、残尿感、下腹部の不快感
腎盂腎炎: 高熱(38度以上)、腰や背中の痛み、悪寒
前立腺炎(男性): 排尿時の痛み、頻尿、会陰部の痛み
その他の重要な原因
- 外傷・打撲(腎損傷)
- 加齢による変化(前立腺肥大症など)
- 薬剤の影響(血液をサラサラにする薬など)
- その他の疾患、腎性血尿など
- 悪性腫瘍
血尿の原因は様々で、見た目だけでは判断できません。適切な検査で原因を特定することが大切です。少ない確率ではありますが、腎臓癌、膀胱癌などの悪性腫瘍が見つかることもあるので、早急な受診がとても大切です。
血尿が出た時の適切な対処法
まず自分でできる対応
- ✅ まずは安静にする: 激しい運動をしていた場合は、すぐに中断して休みましょう
- ✅ 十分な水分を摂取する: 水やお茶をしっかり飲んで、尿を薄めることが大切です
- ✅ 尿の状態を観察する: 色、量、痛みの有無などをメモしておくと診察時に役立ちます
すぐに受診すべき症状
緊急性が高い症状
- 激しい痛みを伴う血尿
- 発熱(38度以上)
- 大量の血尿で尿が真っ赤
- 全く尿が出なくなった
- 暗褐色の尿が大量に出る(ミオグロビン尿の可能性)
翌日以降の受診でも良いが要注意の症状
- 軽度の血尿が2-3日続く
- 排尿時の違和感がある
- 運動後に繰り返し血尿が出る
当院での診断と治療アプローチ
迅速な診断プロセス
私が大切にしているのは、患者様の不安をできるだけ早く解消することです。
尿検査: 血尿の程度、炎症の有無、ミオグロビン尿やビリルビン尿の有無などを確認。院内で迅速に結果が出ます。
超音波検査: 腎臓や膀胱の状態を画像で確認。結石の有無や腎臓の腫れなどを評価。痛みはまったくない検査です。
血液検査: 必要に応じて腎機能や筋肉由来の酵素を確認。特にミオグロビン尿やビリルビン尿が疑われる場合は重要です。
必要に応じた追加検査: CT検査や内視鏡検査が必要な場合は、東邦大学医療センター大森病院や東京蒲田医療センターと連携して迅速に対応いたします。
原因に応じた治療
運動性血尿: 安静、水分摂取、経過観察(通常1-3日で改善)
ミオグロビン尿: 大量の点滴による腎保護、腎機能モニタリング、必要に応じて入院治療
尿路結石: 疼痛管理、結石排出を促す薬物療法、水分摂取指導、必要に応じて外科的加療
感染症: 抗生物質の投与
血尿を予防するために
日常生活での注意点
運動時の注意
- 急激な運動は避け、徐々に強度を上げる
- 運動前後に十分な水分補給
- 脱水状態での激しい運動は避ける
水分摂取の習慣
- 1日1.5〜2リットルを目安に
- のどが渇く前に飲む習慣をつける
- 尿の色をチェック(薄黄色が理想)
特に注意すべき方
- 40歳以上の方
- 喫煙歴のある方
- 尿路結石の既往がある方
- 重労働や激しいスポーツをする方
私の診療への想いと信条
突然の血尿は、多くの方が「様子を見よう」と考えて、一人で不安を抱えてしまいがちです。でも、早めに相談していただければ、多くの場合すぐに安心できます。
「誠意・礼譲・質実剛健」の気持ちで患者様の不安に真摯に向き合い、過剰な検査は行わず、必要十分な検査で迅速に診断します。
大学病院で様々な血尿症例を診てきた経験を活かし、迅速かつ的確な診断を心がけています。より専門的な検査や治療が必要な場合は、大学病院との連携により、継続性のある医療を提供いたします。
蒲田地域の皆様へ
京急蒲田駅西口から徒歩1分という立地により、急な症状でもすぐに受診していただけます。院内で尿検査や超音波検査が可能なため、多くの場合、当日中に診断と治療方針をお伝えできます。
金曜日は夜8時まで診療しているため、お仕事帰りでも受診しやすい環境を整えています。
よくいただくご質問
- Q1. 血尿が出たけれど、今は止まっています。受診は必要ですか?
- 一時的な血尿でも、原因を確認することが大切です。特に40歳以上の方や喫煙歴のある方は、一度検査を受けることをお勧めします。
- Q2. 血尿の色で重症度はわかりますか?
- 血尿の色と重症度は必ずしも一致しません。ただし、暗褐色の尿(コーラのような色)はミオグロビン尿の可能性があり、早急な対応が必要です。ビリルビン尿も同様に血尿と勘違いされる方が多く注意が必要です。
- Q3. 運動後に繰り返し血尿が出ます。大丈夫でしょうか?
- 繰り返す場合は、一度詳しい検査を受けることをお勧めします。多くは運動性血尿で心配ないのですが、基礎疾患が隠れている可能性もあります。
- Q4. 検査は痛いですか?時間はどれくらいかかりますか?
- 基本的な検査(尿検査・超音波検査)は痛みを伴わず、30分程度で終了します。結果もその場でご説明できます。
- Q5. スポーツをしているのですが、血尿予防のためにできることはありますか?
- 最も大切なのは、十分な水分補給です。運動前・中・後に意識的に水分を摂ってください。脱水状態や過度な疲労状態での激しい運動は避けましょう。
最後に〜安心して日常生活を送るために
突然の血尿は、多くの場合一時的なものですが、中には注意が必要なケースもあります。「大丈夫だろう」と自己判断せず、気になる症状があれば早めにご相談ください。
突然の血尿でお困りの方、不安を感じている方は、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。迅速な診断と適切な対応で、皆様の不安を解消するお手伝いをさせていただきます。
蒲田地域の皆様が健康で安心して日常生活を送れるよう、全力でサポートいたします。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
東京都大田区蒲田4-15-8 シュロスバッカス6F
京急蒲田駅西口 徒歩1分
TEL: 03-6715-8803
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金曜日は20時まで診療しています。
受付は15分前終了
休診日 : 木曜・土曜午後・日曜・祝日
監修医師
日本泌尿器科学会専門医
日本性感染症学会認定医
院長 青木洋